情報共有会レポート ~2022年7月開催(1)~ | CPC株式会社

2023/07/18

情報共有会レポート ~2022年7月開催(1)~

2022年7月、TOPs細胞を治療に活用されている先生方の情報共有会がオンラインで開催されました。活発な意見交換が行われましたが、今回はその内容から、「幹細胞の投与にまつわるいくつかのトピックス」について質疑応答形式でご紹介します。

    

Q)幹細胞を投与後に効果が出るのは、脳の中を良くしているのか。それとも筋肉や血管、末梢神経組織を良くするからなのか。私の意見では、脳の中で働いているような感触を得ていると思いますがどうでしょうか。(TA先生)

     

A)専門家の先生の言うことには、まずは体内の免疫環境に変化が起き、そこから周囲の軟部組織・グリア細胞(※1)が再生し、神経細胞の再生は数か月から一年くらいかけて行われるとのことです。大半の患者さんは投与後二週間程度で変化が見られますが、プラトーに達したと思った後にも少し治療効果が見られることもあります。(S先生)

(※1)グリア細胞とは、中枢神経系を構成するニューロン(神経細胞)以外の細胞のこと。

     

     

Q)幹細胞投与後からリハビリまでの期間はどのくらいなのでしょうか。(T先生)

     

A)幹細胞投与以前から続けているリハビリを投与後も間隔を空けずに行っています。投与から二週間という大事な時期までに患者さんにリハビリの動きに慣れてもらうためです。また投与前から患者さんの麻痺の特徴をわかっていた方が良いです。(TA先生)

補足ですが、専門家の先生からはリハビリというものは、回復の方向付けをするような役割があると聞いています。回復するにしてもどう回復するのかをリハビリが示しています。実際に投与とリハビリを一緒に行っている患者さんの方が、治療効果が良好だと感じています。(S先生)

ただ単にリハビリを行うのではなく、セラピストのスキルも重要です。麻痺した下肢や上肢、体幹を動かすようにしないとなかなか回復は見受けられないのです。再生医療が一般化した時のためにセラピストのスキルの準備をする必要があります。(TA先生)

      

     

Q)脳卒中の幹細胞投与は発症後3か月の患者さんを対象にしているが、急性期の患者さんに投与した方がより効果が見込めるのではないでしょうか。(O先生)

     

A) 急性期の患者さんに投与した方が良いかと思うが、自然回復なのか幹細胞投与による回復なのかは判断が難しいです。(S先生)

早期に治療を受けることで効果を得る可能性が高まるのであれば、治療を受けたいという患者さんも少なからずいるはずです。(TS先生)

     

    

今回は以上です。 次回は情報共有会レポート~2022年7月開催(2)~として、「培養上清に関する研究内容」と「歯科領域での再生医療」についてお届けします。